2012年08月21日
高橋長老の御教書 新編8
ありがたいお話であるから、正座して読むよ~に。
新編8 合奏コンクール(後編)
(3)懐かしい 顔と触れ合う 花の園
愛好会の演奏は予定通り終わり、結果を気にしながらもホールへ出る。ホールや観客席には、見知った懐かしい顔がいくつか見えた。彼らを知らない新会員のため、簡単に紹介しておこう。
○寿摩ちゃん(ビアンカ)
愛好会は、2000年に東京で、2003年に静岡で、ビアンカ・フィオーリとジョイントコンサートを行った。その時、愛好会の寿摩ちゃんとビアンカの小島君の出会いが実って、寿摩ちゃんは東京へお嫁に。今は2児の母とのこと。
○竹内さん(ビアンカ)
竹内さんは転勤族で、浜マンから愛好会にうつり、さらに郡山に転勤となり、現在はビアンカである。愛好会時代、竹内さんがつぶやいた「やっぱ、愛好会はええわ」という言葉は、愛好会史上に残る名言である。来年、定年となり、静岡に帰ってくる。となれば、当然愛好会に復帰するに違いない。
○田口さん(ビアンカ)
ビアンカの重量級指揮者。愛好会の客演指揮者として10年間指導をしてくれた。別名マニア大王。古楽器の収集家。時折、愛好会の合宿に、手に入れた自慢の楽器を持ってくる。
○寺田君(アルテ)
今春の県フェスティバルで、愛好会のベースを弾いてくれた。4月から同志社大学進学。なぜかアルテに入った様子。
○青木君(愛好会休部会員)
司法試験の結果待ち。結果が良ければ、定演に出てくれそう。
コンクールでのひと時、花の乙女たちが集う女子大で、久しぶりに、こうした懐かしい顔と出会えたのはうれしい。
このほかにも、ネオナートの山下君の顔も見えた。西遠女子学園の付添に違いない。
(4)「金」の夢 持たせて壊す 「銀」の声
いよいよ審査結果の発表である。ホールには出演した団体の奏者が待ち構え、舞台には12人の審査員が居並ぶ。緊張がみなぎる雰囲気の中、実行委員長の井上さんが結果を発表する。
演奏順にということで、まずビアンカ。「銀賞です」の声に場内がざわめく。ビアンカの代表が舞台に上がり、賞状を受け取った。
次は愛好会だ。ビアンカが銀ということなら、参加した社会人団体は3つだから、愛好会が金賞なのかもしれない。第1回のコンクールでの金賞は、歴史に名を残すことになる。かたずをのんで井上さんの発表を待つ。
「静岡マンドリン愛好会。銀賞です」との声。
いっぺんに夢が覚めた。発表の前に、全部金の時もあれば、全部銅の時もあると教えてもらいたかった。それなら、覚悟のほどが違う。
後刻、審査コメントを見ると、愛好会の演奏にかなり厳しい評価をした審査員が何人かいた。客観的には、まだまだ改善すべき点が多い演奏だったのだろう。
学生団体も含め、参加9団体で金賞は西遠女子学園のみであった。技術指導をしている山下君、周りから祝福の言葉をかけられてニコニコ、鼻高々である。
最後に、井上さんから「来年もやる。来年こそ金賞を目指してほしい」と挨拶があった。しかし、私の技術は今以上に向上する余地がない。できれば、私としては今回限りのコンクールとしたい。
新編8 合奏コンクール(後編)
(3)懐かしい 顔と触れ合う 花の園
愛好会の演奏は予定通り終わり、結果を気にしながらもホールへ出る。ホールや観客席には、見知った懐かしい顔がいくつか見えた。彼らを知らない新会員のため、簡単に紹介しておこう。
○寿摩ちゃん(ビアンカ)
愛好会は、2000年に東京で、2003年に静岡で、ビアンカ・フィオーリとジョイントコンサートを行った。その時、愛好会の寿摩ちゃんとビアンカの小島君の出会いが実って、寿摩ちゃんは東京へお嫁に。今は2児の母とのこと。
○竹内さん(ビアンカ)
竹内さんは転勤族で、浜マンから愛好会にうつり、さらに郡山に転勤となり、現在はビアンカである。愛好会時代、竹内さんがつぶやいた「やっぱ、愛好会はええわ」という言葉は、愛好会史上に残る名言である。来年、定年となり、静岡に帰ってくる。となれば、当然愛好会に復帰するに違いない。
○田口さん(ビアンカ)
ビアンカの重量級指揮者。愛好会の客演指揮者として10年間指導をしてくれた。別名マニア大王。古楽器の収集家。時折、愛好会の合宿に、手に入れた自慢の楽器を持ってくる。
○寺田君(アルテ)
今春の県フェスティバルで、愛好会のベースを弾いてくれた。4月から同志社大学進学。なぜかアルテに入った様子。
○青木君(愛好会休部会員)
司法試験の結果待ち。結果が良ければ、定演に出てくれそう。
コンクールでのひと時、花の乙女たちが集う女子大で、久しぶりに、こうした懐かしい顔と出会えたのはうれしい。
このほかにも、ネオナートの山下君の顔も見えた。西遠女子学園の付添に違いない。
(4)「金」の夢 持たせて壊す 「銀」の声
いよいよ審査結果の発表である。ホールには出演した団体の奏者が待ち構え、舞台には12人の審査員が居並ぶ。緊張がみなぎる雰囲気の中、実行委員長の井上さんが結果を発表する。
演奏順にということで、まずビアンカ。「銀賞です」の声に場内がざわめく。ビアンカの代表が舞台に上がり、賞状を受け取った。
次は愛好会だ。ビアンカが銀ということなら、参加した社会人団体は3つだから、愛好会が金賞なのかもしれない。第1回のコンクールでの金賞は、歴史に名を残すことになる。かたずをのんで井上さんの発表を待つ。
「静岡マンドリン愛好会。銀賞です」との声。
いっぺんに夢が覚めた。発表の前に、全部金の時もあれば、全部銅の時もあると教えてもらいたかった。それなら、覚悟のほどが違う。
後刻、審査コメントを見ると、愛好会の演奏にかなり厳しい評価をした審査員が何人かいた。客観的には、まだまだ改善すべき点が多い演奏だったのだろう。
学生団体も含め、参加9団体で金賞は西遠女子学園のみであった。技術指導をしている山下君、周りから祝福の言葉をかけられてニコニコ、鼻高々である。
最後に、井上さんから「来年もやる。来年こそ金賞を目指してほしい」と挨拶があった。しかし、私の技術は今以上に向上する余地がない。できれば、私としては今回限りのコンクールとしたい。
2012年08月19日
高橋長老の御教書 新編7
ありがたいお話であるから、正座して読むよ~に
新編7 合奏コンクール(前編)
8月18日、我々も参加した第1回全日本マンドリン合奏コンクール(会場:昭和女子大人見記念講堂)のできごとを、拙作の川柳とともに思い出してみたい
(1)道迷い 近くて遠いは 昭女大
我々の乗ったバスは、静岡から新東名に入り、東京までは順調だった。しかし、首都高速に入ってから雰囲気がおかしい。いつまでたっても下界に下りない。そうこうしているうちに渋谷に出てしまった。さすがに行き過ぎだ。
バスの運転手が、車を止めて地図を見ている。どうやらナビが故障しているらしい。
「三軒茶屋で降りるところがあったはずだが…」というつぶやきが聞こえる。
しばらくして三軒茶屋方向に向かって出発したが、下界の道は車が多い。右折車を避け、隣レーンの車に気を使って進んでいく。
そして「あっ、ここだ」「看板が出ている」という声が聞こえた時は、すでにバスは会場の昭和女子大の前を通り過ぎている。とても後戻りできる状況ではない。そのまま進んで左折し、昭和女子大に向かおうとする。しかし、バスの通れる道はなく、会場からは遠ざかる一方だ。狭い道を進んでいくと、前方の交差点で車が道をふさいでいる。事故車だ!レッカー車が処理しようとしているが、すぐには事故車を排除できそうもない。はたして我々は無事に会場にたどり着けるのか。
バスの運転手が事故処理にあたっている警察官としばらく話をしていた。道筋を教えてもらったらしく、その交差点を右折して広い道に出た。なんとか会場にたどり着いたのは、予定より20分以上遅れてからだった。遠くて近きは男女の仲というが、江戸の町は近くに見えていてもなかなかたどり着けない。幸い余裕のある予定だったから、事なきを得た。それにしても、運転手さん、プロにあるまじき失態だよ。
(2)着替え中 邪念を感じ 鍵を閉め
なんとか会場の昭和女子大に着き、人見記念講堂の中に入った。大きな建物で、楽屋は3階だった。愛好会が与えられた部屋も広く中で合奏することもできる。すでに椅子が並べられていたが、これは世話役のアルテの心遣いに違いない。
先に女性が着替えをすることになり、男性は廊下に出された。むつけき男どもが、所在無げに女性の着替えの終わるのを待つ。待っていると時間のたつのは遅い。
「まだかな」
「お化粧を始めたんじゃないか」などと無駄口を叩いていると、ドアの鍵がガチャと鳴った。しかし、ドアは開かない。
「鍵を閉めたんだよ」
「誰か、女性の着替え中に、よこしまな念を送ったんじゃないか」
「それを感じ取って用心されたのか」
「お~い。いま変なこと考えたのは、S藤さんだよ~」とN田さん。
「ええ~!違う違う」
うろたえたS藤さん、しどろもどろ。
(次号に続く)
新編7 合奏コンクール(前編)
8月18日、我々も参加した第1回全日本マンドリン合奏コンクール(会場:昭和女子大人見記念講堂)のできごとを、拙作の川柳とともに思い出してみたい
(1)道迷い 近くて遠いは 昭女大
我々の乗ったバスは、静岡から新東名に入り、東京までは順調だった。しかし、首都高速に入ってから雰囲気がおかしい。いつまでたっても下界に下りない。そうこうしているうちに渋谷に出てしまった。さすがに行き過ぎだ。
バスの運転手が、車を止めて地図を見ている。どうやらナビが故障しているらしい。
「三軒茶屋で降りるところがあったはずだが…」というつぶやきが聞こえる。
しばらくして三軒茶屋方向に向かって出発したが、下界の道は車が多い。右折車を避け、隣レーンの車に気を使って進んでいく。
そして「あっ、ここだ」「看板が出ている」という声が聞こえた時は、すでにバスは会場の昭和女子大の前を通り過ぎている。とても後戻りできる状況ではない。そのまま進んで左折し、昭和女子大に向かおうとする。しかし、バスの通れる道はなく、会場からは遠ざかる一方だ。狭い道を進んでいくと、前方の交差点で車が道をふさいでいる。事故車だ!レッカー車が処理しようとしているが、すぐには事故車を排除できそうもない。はたして我々は無事に会場にたどり着けるのか。
バスの運転手が事故処理にあたっている警察官としばらく話をしていた。道筋を教えてもらったらしく、その交差点を右折して広い道に出た。なんとか会場にたどり着いたのは、予定より20分以上遅れてからだった。遠くて近きは男女の仲というが、江戸の町は近くに見えていてもなかなかたどり着けない。幸い余裕のある予定だったから、事なきを得た。それにしても、運転手さん、プロにあるまじき失態だよ。
(2)着替え中 邪念を感じ 鍵を閉め
なんとか会場の昭和女子大に着き、人見記念講堂の中に入った。大きな建物で、楽屋は3階だった。愛好会が与えられた部屋も広く中で合奏することもできる。すでに椅子が並べられていたが、これは世話役のアルテの心遣いに違いない。
先に女性が着替えをすることになり、男性は廊下に出された。むつけき男どもが、所在無げに女性の着替えの終わるのを待つ。待っていると時間のたつのは遅い。
「まだかな」
「お化粧を始めたんじゃないか」などと無駄口を叩いていると、ドアの鍵がガチャと鳴った。しかし、ドアは開かない。
「鍵を閉めたんだよ」
「誰か、女性の着替え中に、よこしまな念を送ったんじゃないか」
「それを感じ取って用心されたのか」
「お~い。いま変なこと考えたのは、S藤さんだよ~」とN田さん。
「ええ~!違う違う」
うろたえたS藤さん、しどろもどろ。
(次号に続く)