2014年12月08日
高橋長老の御教書 資料編 1
ありがたいお話であるから正座して読むよ~に
資料編 1 定演挨拶、23回~29回
御教書を最初に書いたのは、13年前の2002年の3月である。当時はまだ愛好会のホームページを作ろうと会員たちが努力していた時代で、会員に読んでもらうためにはプリントして配る必要があった。2年間、2か月ごとに4編の御教書を作ったのだが、そのきっかけは、当時私が書いていた定演プログラムの挨拶文を資料として残したいというものだった。
そのちょっとふざけた文体の挨拶文は、代表の薫さんも扱いに困ったのではないかと思う。しかし、私にとっては会心の作で、後代の会員の記憶に是非残してもらいたいという思いがあった。でも、ただそれだけではただの資料にしかならない。そこで、いくつかエッセーのようなものを付け加え、御教書として会員に読んでもらうことにしたのである。
それから10余年、愛好会は当時の事を知らない新しい会員が多数派となった。そこで改めて、私が手掛けた定演挨拶がどんなものであったか、皆さんに紹介したい。
第23回 定演 1997
なになに。世間で大評判になっている「マンドリン愛好会」の名演奏を聞かせてくれとな。
フム、なかなかいいセンスをしておるの。よろしい、聞かせて進ぜよう。我々は、がまん強いのだ。これまでも一番前の席で居眠りをされても、子供がさわごうとも、ひたすらマンドリン音楽の素晴らしさを諸君らに伝えようと心血を注いで来ておる。君達のような初心者に対しても、決して手を抜くようなことはせん。
我々の演奏を聞けば、ロックや管弦楽とは隔絶した全く異次元の世界に驚嘆するにちがいない。これまでマンドリン音楽を知らなかったことを涙ながらに後悔することうけあいだな。
これから始まる玄妙にして摩訶不思議な、めくるめく至福の時を体験したからには、君達はマンドリン音楽の虜となり、決して逃れられないだろう。
そ~ら、胸がわくわくしてこないかね。それでは今宵のコンサートを心ゆくまで味わうが良い。
第24回 定演 1998
皆様へひと言 本阿彌 沙矢香
驚きましたことよ。おこがましくも、わたくしに「マンドリン愛好会」の紹介をせよなどと、言われた時には。でも、時代の流行に惑わされずに価値あるものを見抜ける人は、この沙矢香しかいないとおっしゃられては引き受けざるを得ないですわね。
わたくし、前回のコンサートを拝見いたしまして、アマチュアの演奏としては少々侮れないものを感じましたし、会員の似顔絵からもいろいろな社会人がマンドリン音楽という縁で交流なさっていることに、ちょっぴりうらやましさも覚えましたのよ。いいですわね、庶民の方々にはこうした楽しみがありますのね。
皆さんもお気付きのように、今年のプログラムには、愛好会には少々荷の重い曲も入っておりますわ。身の程をわきまえずに冒険をするのも愛好会の伝統のようですわね。どんな演奏になるのでしょう…。楽しみにいたしましょうね。オーッホッホッホ!
第25回 定演 1999.9.25
おっと君達、「マンドリン愛好会」の演奏会に来てくれたのかい。うれしいね。だれかお目当ての人でもいるのかい。え、あのコンマス!そうかそうか、凄いテクニックだからね。まあ、聞いてごらん。どんな難しい曲でも鼻歌まじりさ。でもね、他の人だって頑張っているんだぜ。まあ、中には若干おんぶしてもらっている人もいるけどさ。誰?ん、突っ込まないでよ。
だけど君達、マンドリン音楽を聞くなんて、いい趣味してるね。マンドリンってマイナーだけどさ、そこに目が行くなんて見上げたもんだよ。え、友達に誘われて……ムム、そうかい。いい友達は大切にしたいね。新しい世界を見つけるって、そんなちょっとした機会から生まれるものなんだな。
今年のコンサートも難曲あり楽しい曲ありで、きっと聞き応えがあるはずさ。特に最後の曲は要チェックだからね。期待してくれたまえ。
第26回 定演 2000.10.21
ハーイ、今晩は。一年ぶりね。愛好会のコンサートで会えるなんてうれしいわ。
ほら、ちょっと見て。あそこの子、カワイイーじゃない。まだ現役の学生さんなの。若い人がいるって雰囲気が華やいで楽しくなっちゃうでしょ。
え、トウの立っている人もいる? あ~ら気の毒。でもあのオジさんも気持ちは若くて面白い人なのよ。他にもおとぼけの人もいるし、鬼が島の番人みたいだけど、シャイで、気が小さくて、ガラス細工みたいな人もいるし…、いろんなギョーカイの人がいて、未知の世界が覗けたりしてね、なかなかにぎやかだし刺激的なのよ。
今年はね、ちょっとテクニックの難しい曲があるの。去年のコンサートよりも難しくって泣けちゃったけど。でも、そういった曲にチャレンジして弾けた時って、何か新しい世界に踏み込んだような高揚感があるものね。きっと聞いている人も聞きごたえがあるんじゃないかしら。それじゃ、頑張って弾くからね、どんな演奏になるか楽しみにしてね。
第27回 定演 2001.9.29
どうも、今晩は。いや~、私どもの演奏会にこんなにたくさんの皆様がお越しくださるとは、うれしいことですな。
私どもはこの演奏会のために6月頃から練習を始めておりますがな、やれ残業が続く、家族や自分の具合が悪い、てなことがありまして、そろって練習することがなかなか難しい。それでも好きな人ばかりですから「コソ練」(家族に気付かれない様にこっそり練習すること)をして何とか皆に追いついた人もおりましたようで。
まあ、愛好会はおおらかな雰囲気ですから、一人前に弾けなくても、一人前に弾いているフリができれば他の人がカバーしてくれます。私なんぞも、毎年大いに感謝しておりますよ。ひょっとして指揮者が一生懸命振っているのに、音が聞こえないぞ?と感じた時は、全員が弾いているフリをしているところではないでしょうか。(指揮者が振っていないところはとは違います。念のため。)
昨年、愛好会は東京の練馬文化センターでビアンカ・フィオーリとジョイントコンサートてなことを行いました。社会人のマンドリン活動が広がってくるようで嬉しいことでしたな。本日の演奏会もたくさんの方のお手伝いをいただいておりますが、これからも皆さんのご理解を深め、マンドリンの輪がいっそう広まるよう努めて参りたいと思っております。
それでは、今晩の演奏会をごゆるりとお楽しみ下さいませ。
第28回 定演 2002.10.12
会員二十面相からあいさつ
ホホー、やっと「愛好会」の演奏会に来てくれたね、小林君。ま、みけんに皺を寄せてばかりいないで、心地よい音楽に浸るゆとりが、かえって謎を解くヒントにつながるものさ。特にマンドリン音楽は歯切れがよくて活動的だから脳の働きを良くするにはもってこいなんだな。
わが輩が奇想天外なトリックを思いつくのも、実は、わが輩がいつも愛好会で楽器を弾いているからなんだよ。フフフ…どうだい、驚いたかね、小林君。プログラムの中の「かわら版」をじっくり眺めて、わが輩が誰に変装しているか当ててみたまえ。だが、推理に気を取られて、わが輩らが奏でる名演奏を聞き逃さないでくれたまえよ。
それはそれとして、素晴らしい雰囲気の中で良き友と良き音楽を聞く、人生これに勝る至福はないのだな。帰ったら今夜の感激を明智君や少年探偵団の諸君にもぜひ伝えてもらいたいね。次回、君達の仲間が大勢やってくることを期待しているよ。そら、開幕のベルが鳴っている。わが輩も出演の用意をしなくては…。では、今宵の演奏会を大いに楽しみたまえ。
第29回 定演 2003
こんばんは、いらっしゃいませ。愛好会のマンドリンの夕べも、今年で29回目ですけども、いつもいつもご贔屓にしていただいて、嬉しゅうございますわ。
あら、今夜はまた可愛らしいお嬢様とご一緒に…ご自慢のお嬢様でいらっしゃいましょう?えっ、私のような美人にしたい……まぁ、おほほ…ご冗談がお上手でいらっしゃいますこと。本当に皆様のような素敵な方ばかりおいでいただきまして、私どもも光栄でございます。
愛好会は、この3月にビアンカ・フィオーリとのジョイントコンサートを行いましたけど、マンドリン音楽の交流の輪がすっと広がったような感じがいたしましたわ。今夜のコンサートにも県内外の団体のメンバーに賛助出演をお願いしておりますの。こうしてマンドリンを通じて、たくさんの人達と交流できるのは、本当にいいことだと思っております。私たちも大変刺激になりますもの。
ところで愛好会も若い会員が入ってきまして、ずいぶん雰囲気が変わってまいりましたわ。特に今晩デビューする指揮者には注目してくださいませね。皆様もきっと新鮮な印象を受けると思いますの。では、お・た・の・し・み・に。
資料編 1 定演挨拶、23回~29回
御教書を最初に書いたのは、13年前の2002年の3月である。当時はまだ愛好会のホームページを作ろうと会員たちが努力していた時代で、会員に読んでもらうためにはプリントして配る必要があった。2年間、2か月ごとに4編の御教書を作ったのだが、そのきっかけは、当時私が書いていた定演プログラムの挨拶文を資料として残したいというものだった。
そのちょっとふざけた文体の挨拶文は、代表の薫さんも扱いに困ったのではないかと思う。しかし、私にとっては会心の作で、後代の会員の記憶に是非残してもらいたいという思いがあった。でも、ただそれだけではただの資料にしかならない。そこで、いくつかエッセーのようなものを付け加え、御教書として会員に読んでもらうことにしたのである。
それから10余年、愛好会は当時の事を知らない新しい会員が多数派となった。そこで改めて、私が手掛けた定演挨拶がどんなものであったか、皆さんに紹介したい。
第23回 定演 1997
なになに。世間で大評判になっている「マンドリン愛好会」の名演奏を聞かせてくれとな。
フム、なかなかいいセンスをしておるの。よろしい、聞かせて進ぜよう。我々は、がまん強いのだ。これまでも一番前の席で居眠りをされても、子供がさわごうとも、ひたすらマンドリン音楽の素晴らしさを諸君らに伝えようと心血を注いで来ておる。君達のような初心者に対しても、決して手を抜くようなことはせん。
我々の演奏を聞けば、ロックや管弦楽とは隔絶した全く異次元の世界に驚嘆するにちがいない。これまでマンドリン音楽を知らなかったことを涙ながらに後悔することうけあいだな。
これから始まる玄妙にして摩訶不思議な、めくるめく至福の時を体験したからには、君達はマンドリン音楽の虜となり、決して逃れられないだろう。
そ~ら、胸がわくわくしてこないかね。それでは今宵のコンサートを心ゆくまで味わうが良い。
第24回 定演 1998
皆様へひと言 本阿彌 沙矢香
驚きましたことよ。おこがましくも、わたくしに「マンドリン愛好会」の紹介をせよなどと、言われた時には。でも、時代の流行に惑わされずに価値あるものを見抜ける人は、この沙矢香しかいないとおっしゃられては引き受けざるを得ないですわね。
わたくし、前回のコンサートを拝見いたしまして、アマチュアの演奏としては少々侮れないものを感じましたし、会員の似顔絵からもいろいろな社会人がマンドリン音楽という縁で交流なさっていることに、ちょっぴりうらやましさも覚えましたのよ。いいですわね、庶民の方々にはこうした楽しみがありますのね。
皆さんもお気付きのように、今年のプログラムには、愛好会には少々荷の重い曲も入っておりますわ。身の程をわきまえずに冒険をするのも愛好会の伝統のようですわね。どんな演奏になるのでしょう…。楽しみにいたしましょうね。オーッホッホッホ!
第25回 定演 1999.9.25
おっと君達、「マンドリン愛好会」の演奏会に来てくれたのかい。うれしいね。だれかお目当ての人でもいるのかい。え、あのコンマス!そうかそうか、凄いテクニックだからね。まあ、聞いてごらん。どんな難しい曲でも鼻歌まじりさ。でもね、他の人だって頑張っているんだぜ。まあ、中には若干おんぶしてもらっている人もいるけどさ。誰?ん、突っ込まないでよ。
だけど君達、マンドリン音楽を聞くなんて、いい趣味してるね。マンドリンってマイナーだけどさ、そこに目が行くなんて見上げたもんだよ。え、友達に誘われて……ムム、そうかい。いい友達は大切にしたいね。新しい世界を見つけるって、そんなちょっとした機会から生まれるものなんだな。
今年のコンサートも難曲あり楽しい曲ありで、きっと聞き応えがあるはずさ。特に最後の曲は要チェックだからね。期待してくれたまえ。
第26回 定演 2000.10.21
ハーイ、今晩は。一年ぶりね。愛好会のコンサートで会えるなんてうれしいわ。
ほら、ちょっと見て。あそこの子、カワイイーじゃない。まだ現役の学生さんなの。若い人がいるって雰囲気が華やいで楽しくなっちゃうでしょ。
え、トウの立っている人もいる? あ~ら気の毒。でもあのオジさんも気持ちは若くて面白い人なのよ。他にもおとぼけの人もいるし、鬼が島の番人みたいだけど、シャイで、気が小さくて、ガラス細工みたいな人もいるし…、いろんなギョーカイの人がいて、未知の世界が覗けたりしてね、なかなかにぎやかだし刺激的なのよ。
今年はね、ちょっとテクニックの難しい曲があるの。去年のコンサートよりも難しくって泣けちゃったけど。でも、そういった曲にチャレンジして弾けた時って、何か新しい世界に踏み込んだような高揚感があるものね。きっと聞いている人も聞きごたえがあるんじゃないかしら。それじゃ、頑張って弾くからね、どんな演奏になるか楽しみにしてね。
第27回 定演 2001.9.29
どうも、今晩は。いや~、私どもの演奏会にこんなにたくさんの皆様がお越しくださるとは、うれしいことですな。
私どもはこの演奏会のために6月頃から練習を始めておりますがな、やれ残業が続く、家族や自分の具合が悪い、てなことがありまして、そろって練習することがなかなか難しい。それでも好きな人ばかりですから「コソ練」(家族に気付かれない様にこっそり練習すること)をして何とか皆に追いついた人もおりましたようで。
まあ、愛好会はおおらかな雰囲気ですから、一人前に弾けなくても、一人前に弾いているフリができれば他の人がカバーしてくれます。私なんぞも、毎年大いに感謝しておりますよ。ひょっとして指揮者が一生懸命振っているのに、音が聞こえないぞ?と感じた時は、全員が弾いているフリをしているところではないでしょうか。(指揮者が振っていないところはとは違います。念のため。)
昨年、愛好会は東京の練馬文化センターでビアンカ・フィオーリとジョイントコンサートてなことを行いました。社会人のマンドリン活動が広がってくるようで嬉しいことでしたな。本日の演奏会もたくさんの方のお手伝いをいただいておりますが、これからも皆さんのご理解を深め、マンドリンの輪がいっそう広まるよう努めて参りたいと思っております。
それでは、今晩の演奏会をごゆるりとお楽しみ下さいませ。
第28回 定演 2002.10.12
会員二十面相からあいさつ
ホホー、やっと「愛好会」の演奏会に来てくれたね、小林君。ま、みけんに皺を寄せてばかりいないで、心地よい音楽に浸るゆとりが、かえって謎を解くヒントにつながるものさ。特にマンドリン音楽は歯切れがよくて活動的だから脳の働きを良くするにはもってこいなんだな。
わが輩が奇想天外なトリックを思いつくのも、実は、わが輩がいつも愛好会で楽器を弾いているからなんだよ。フフフ…どうだい、驚いたかね、小林君。プログラムの中の「かわら版」をじっくり眺めて、わが輩が誰に変装しているか当ててみたまえ。だが、推理に気を取られて、わが輩らが奏でる名演奏を聞き逃さないでくれたまえよ。
それはそれとして、素晴らしい雰囲気の中で良き友と良き音楽を聞く、人生これに勝る至福はないのだな。帰ったら今夜の感激を明智君や少年探偵団の諸君にもぜひ伝えてもらいたいね。次回、君達の仲間が大勢やってくることを期待しているよ。そら、開幕のベルが鳴っている。わが輩も出演の用意をしなくては…。では、今宵の演奏会を大いに楽しみたまえ。
第29回 定演 2003
こんばんは、いらっしゃいませ。愛好会のマンドリンの夕べも、今年で29回目ですけども、いつもいつもご贔屓にしていただいて、嬉しゅうございますわ。
あら、今夜はまた可愛らしいお嬢様とご一緒に…ご自慢のお嬢様でいらっしゃいましょう?えっ、私のような美人にしたい……まぁ、おほほ…ご冗談がお上手でいらっしゃいますこと。本当に皆様のような素敵な方ばかりおいでいただきまして、私どもも光栄でございます。
愛好会は、この3月にビアンカ・フィオーリとのジョイントコンサートを行いましたけど、マンドリン音楽の交流の輪がすっと広がったような感じがいたしましたわ。今夜のコンサートにも県内外の団体のメンバーに賛助出演をお願いしておりますの。こうしてマンドリンを通じて、たくさんの人達と交流できるのは、本当にいいことだと思っております。私たちも大変刺激になりますもの。
ところで愛好会も若い会員が入ってきまして、ずいぶん雰囲気が変わってまいりましたわ。特に今晩デビューする指揮者には注目してくださいませね。皆様もきっと新鮮な印象を受けると思いますの。では、お・た・の・し・み・に。
Posted by 静岡マンドリン愛好会 at 22:41│Comments(0)
│高橋長老の御教書