2014年07月23日
高橋長老の御教書 新編44
ありがたいお話であるから正座して読むよ~に
新編44 自己紹介
今、新入会員からの自己紹介がありました。質疑応答もあって、新会員の人となりや経歴もおぼろげながら分かりました。でも、古参の会員が新会員のことを分かっても、新会員が古参の会員の事が分からないのでは不公平です。古参会員も新会員に自己紹介をすべきです。では、まず隗より始めよということで、私の自己紹介をいたします。
私は、長老と自称していますが、これは私の事を少しでも尊敬してもらいたいと思っているからです。放っておくと、私のような影の薄い存在は無視されることが多く、そればかりか、ややもすると踏みつけにされかねないのです。長老と名乗れば、私をこき使おうとする者や、使い走りをさせたがる者に対して牽制になると考えているのです。日本では古来長幼の順が重んじられて来ましたが、近年この醇風が廃れてきたことは悲しむべきことです。何を古臭いことを…と鼻で笑う人もいるかもしれません。しかし、みなさんもいずれは歳をとります。自分も将来こうなってもいいのか、と反省していただきたいと思います。
パートはギターです。ギターを始めて50年、愛好会でも40年近くになります。それだけを聞くと、ベテラン中のベテラン、どんな曲でも自由自在に弾けるだろうと思われがちですが、実際はこの40年まったく進歩がありません。それは、私にギターの才がなく、練習する意欲にも恵まれていないこと、加えて、不幸な家庭環境にあることが原因です。
………………
思い出してしまいました。私は不幸なのです。家庭にあっても愛好会にあってもどうしようもなく不幸なのです。この不幸感は筋金入りです。私の不幸感はだれにも負けないと自負しております。もしも世界不幸感選手権大会というものがあったら、私は必ずや日本代表として出場し、輝く金メダルを取れると確信しております。
その原因の第1。家庭でも愛好会でも私が年寄りで最年長であること。
そうなのです。40年前愛好会に入った時から、私が1番年長でした。他の会員が年を取って年齢が高くなっても、私もやはり年齢が高くなり、決して私より年長にならないのです。加えて、この40年、私より年長の会員が1人も加入したことがありません!そのため、私はこれまで1度も若者扱いされたことがないのです。こんな不幸があるでしょうか。おかしなことに、私の風貌が若く見えるためか、「子供のようだ」とか「子供じみてる」などと言われることがあります。若者扱いはしないのに、どうして子供扱いをするのでしょうか。
原因の第2。私が知性派であること。
皆さんは知性派が不幸であることをご存じないのではありませんか。でも周囲を観察してみてください。体力派の方々はみんな快活で意気軒昂です。大声で歓声を上げ、事をなしては喜び、事に躓いても励ましあい、不運すら幸福に変えてしまうのです。それに引き換え、知性派は、いつも不安材料を探し出しては心配し、事を成し遂げても何かの間違いでは…と疑心暗鬼となり、事に躓けば限りなき悲嘆の底に沈んでしまうのです。知性派は、おのれに訪れた幸運さえも不幸の原因にしてしまうのです。こんな悲しいことがあるでしょうか。
原因の第3。私の人相風体が貧相であること
私も若年のころは、それなりに肌に張りもありおなかも出ていませんでした。しかし、今は見る影もなく肌もやつれ、体型も崩れてしまいました。人は90パーセント外観で判断します。会う人が皆我をさげすんだ目で見る不幸感!貧相な外観を何とかごまかそうとする効果無き努力。賽の河原で石を積む思いです。
ああ、自己紹介のつもりがとんだ愚痴話になってしまいました。時間も限られていますので、私のことについては、また別の機会にゆっくりとお話しさせていただきます。
漢字の読み方
隗より始めよ かいよりはじめよ
醇風 じゅんぷう
廃れて すたれて
躓いて つまづいて
風体 ふうてい
賽の河原 さいのかわら
新編44 自己紹介
今、新入会員からの自己紹介がありました。質疑応答もあって、新会員の人となりや経歴もおぼろげながら分かりました。でも、古参の会員が新会員のことを分かっても、新会員が古参の会員の事が分からないのでは不公平です。古参会員も新会員に自己紹介をすべきです。では、まず隗より始めよということで、私の自己紹介をいたします。
私は、長老と自称していますが、これは私の事を少しでも尊敬してもらいたいと思っているからです。放っておくと、私のような影の薄い存在は無視されることが多く、そればかりか、ややもすると踏みつけにされかねないのです。長老と名乗れば、私をこき使おうとする者や、使い走りをさせたがる者に対して牽制になると考えているのです。日本では古来長幼の順が重んじられて来ましたが、近年この醇風が廃れてきたことは悲しむべきことです。何を古臭いことを…と鼻で笑う人もいるかもしれません。しかし、みなさんもいずれは歳をとります。自分も将来こうなってもいいのか、と反省していただきたいと思います。
パートはギターです。ギターを始めて50年、愛好会でも40年近くになります。それだけを聞くと、ベテラン中のベテラン、どんな曲でも自由自在に弾けるだろうと思われがちですが、実際はこの40年まったく進歩がありません。それは、私にギターの才がなく、練習する意欲にも恵まれていないこと、加えて、不幸な家庭環境にあることが原因です。
………………
思い出してしまいました。私は不幸なのです。家庭にあっても愛好会にあってもどうしようもなく不幸なのです。この不幸感は筋金入りです。私の不幸感はだれにも負けないと自負しております。もしも世界不幸感選手権大会というものがあったら、私は必ずや日本代表として出場し、輝く金メダルを取れると確信しております。
その原因の第1。家庭でも愛好会でも私が年寄りで最年長であること。
そうなのです。40年前愛好会に入った時から、私が1番年長でした。他の会員が年を取って年齢が高くなっても、私もやはり年齢が高くなり、決して私より年長にならないのです。加えて、この40年、私より年長の会員が1人も加入したことがありません!そのため、私はこれまで1度も若者扱いされたことがないのです。こんな不幸があるでしょうか。おかしなことに、私の風貌が若く見えるためか、「子供のようだ」とか「子供じみてる」などと言われることがあります。若者扱いはしないのに、どうして子供扱いをするのでしょうか。
原因の第2。私が知性派であること。
皆さんは知性派が不幸であることをご存じないのではありませんか。でも周囲を観察してみてください。体力派の方々はみんな快活で意気軒昂です。大声で歓声を上げ、事をなしては喜び、事に躓いても励ましあい、不運すら幸福に変えてしまうのです。それに引き換え、知性派は、いつも不安材料を探し出しては心配し、事を成し遂げても何かの間違いでは…と疑心暗鬼となり、事に躓けば限りなき悲嘆の底に沈んでしまうのです。知性派は、おのれに訪れた幸運さえも不幸の原因にしてしまうのです。こんな悲しいことがあるでしょうか。
原因の第3。私の人相風体が貧相であること
私も若年のころは、それなりに肌に張りもありおなかも出ていませんでした。しかし、今は見る影もなく肌もやつれ、体型も崩れてしまいました。人は90パーセント外観で判断します。会う人が皆我をさげすんだ目で見る不幸感!貧相な外観を何とかごまかそうとする効果無き努力。賽の河原で石を積む思いです。
ああ、自己紹介のつもりがとんだ愚痴話になってしまいました。時間も限られていますので、私のことについては、また別の機会にゆっくりとお話しさせていただきます。
漢字の読み方
隗より始めよ かいよりはじめよ
醇風 じゅんぷう
廃れて すたれて
躓いて つまづいて
風体 ふうてい
賽の河原 さいのかわら
2014年06月24日
高橋長老の御教書 新編43
ありがたいお話であるから正座して読むよ~に
新編43 架空反省会
A「それでは、今日の訪問演奏会の反省を行います。聞いていた人は分からなかったようですが、みなさんは分かっていると思います。今日の演奏はひどかったです。」
B「確かに。○○の曲で、私は繰り返しが2回だと思っていたら、3回だった。追いつくまで音がなくなってしまった」
A「練習の時には、ちゃんと弾いていたではありませんか。記憶力に自信がなくなっているなら、譜面に「3回繰り返し」と書いておくべきです」
B「そうする」
C「私は、演奏途中でどこを弾いているのか見失ってしまいました」
A「見失うことはままあります。でも、1小節遅れて入られると、他の人が混乱します。なんとかごまかしましたが、冷や汗をかきました。入るところを確かめて入ってください」
C「わかりました」
A「曲目の紹介で、原稿を探してもたついていましたが、やる曲順は事前に分かっているはずです。曲順通りに整理しておけばあれこれ探すこともないはずです」
D「いや、ちゃんと整理してあるんだ。ただ、その時ちょっとめくり過ぎて、慌てたんだ」
A「譜面や曲順の紙を重ねただけでは、整理してあるとはいえません。ちゃんとファイルに順番に入れてください。お願いします」
D「うん、まあ、考えておくよ」
E「私は、コーダへ飛ぶところを間違えてしまいました」
A「あのところは、練習でも何度か確認しています。間違えやすい所ですが、それだからこそ、そこは集中してください。そうでないと練習した意味がありません」
E「済みません」
B「今日の演奏は、確かにひどかった。でも、お客さんは大きな声で歌ってくれたから、こちらのミスには気付かなかったみたいだったね」
F「曲の途中で止まって、やり直し…なんてことにはならなかったから歌い続けてくれたんです。やはり、ちょっと変だ…とは感じたんじゃないかしら」
D「でも、全体としてみんな楽しんでくれた。ちょっと変…くらいはご愛嬌だよ」
A「お客さんがどう感じたかではなくて、私たちがどう感じたかが問題なんです。いいわいいわで済ましていいんですか」
E「確かに今日の演奏はミスが多かったと思います。でもこのメンバーに完璧を求めるのは酷じゃないですか」
B「そうだよ。練習の時には完璧に弾いていても、本番でミスするんだから…ミスは付き物と達観するしかない」
C「ミスした時に、周りの人が臨機応変にカバーしてくれて…これがこのメンバーのいい所じゃないんですか」
F「そうよね。ミスしたとしても、司会の人が「やってしまいました!」って笑いを取ればお客さんは喜ぶと思います。私たちのありのままの演奏でやって行けばいいんじゃないかしら」
A「みなさんがそうおっしゃるなら、これ以上は言いません。でも、心の中では「このままじゃいけない」と反省してください」
B「汝等のうち罪なき者、石を投げうて。人はパンのみにて生きるに非ず」
D「なんだい、それは」
B「なんでもない。ちょっと頭に浮かんだだけさ」
作者注 実際にはこんな反省会は行われませんでした。まったくの架空の議論です。特にAさんのような人はいなかったことは、強調しておきます。でも、お酒を飲みながらでも反省会をやってみたかったな~。
新編43 架空反省会
A「それでは、今日の訪問演奏会の反省を行います。聞いていた人は分からなかったようですが、みなさんは分かっていると思います。今日の演奏はひどかったです。」
B「確かに。○○の曲で、私は繰り返しが2回だと思っていたら、3回だった。追いつくまで音がなくなってしまった」
A「練習の時には、ちゃんと弾いていたではありませんか。記憶力に自信がなくなっているなら、譜面に「3回繰り返し」と書いておくべきです」
B「そうする」
C「私は、演奏途中でどこを弾いているのか見失ってしまいました」
A「見失うことはままあります。でも、1小節遅れて入られると、他の人が混乱します。なんとかごまかしましたが、冷や汗をかきました。入るところを確かめて入ってください」
C「わかりました」
A「曲目の紹介で、原稿を探してもたついていましたが、やる曲順は事前に分かっているはずです。曲順通りに整理しておけばあれこれ探すこともないはずです」
D「いや、ちゃんと整理してあるんだ。ただ、その時ちょっとめくり過ぎて、慌てたんだ」
A「譜面や曲順の紙を重ねただけでは、整理してあるとはいえません。ちゃんとファイルに順番に入れてください。お願いします」
D「うん、まあ、考えておくよ」
E「私は、コーダへ飛ぶところを間違えてしまいました」
A「あのところは、練習でも何度か確認しています。間違えやすい所ですが、それだからこそ、そこは集中してください。そうでないと練習した意味がありません」
E「済みません」
B「今日の演奏は、確かにひどかった。でも、お客さんは大きな声で歌ってくれたから、こちらのミスには気付かなかったみたいだったね」
F「曲の途中で止まって、やり直し…なんてことにはならなかったから歌い続けてくれたんです。やはり、ちょっと変だ…とは感じたんじゃないかしら」
D「でも、全体としてみんな楽しんでくれた。ちょっと変…くらいはご愛嬌だよ」
A「お客さんがどう感じたかではなくて、私たちがどう感じたかが問題なんです。いいわいいわで済ましていいんですか」
E「確かに今日の演奏はミスが多かったと思います。でもこのメンバーに完璧を求めるのは酷じゃないですか」
B「そうだよ。練習の時には完璧に弾いていても、本番でミスするんだから…ミスは付き物と達観するしかない」
C「ミスした時に、周りの人が臨機応変にカバーしてくれて…これがこのメンバーのいい所じゃないんですか」
F「そうよね。ミスしたとしても、司会の人が「やってしまいました!」って笑いを取ればお客さんは喜ぶと思います。私たちのありのままの演奏でやって行けばいいんじゃないかしら」
A「みなさんがそうおっしゃるなら、これ以上は言いません。でも、心の中では「このままじゃいけない」と反省してください」
B「汝等のうち罪なき者、石を投げうて。人はパンのみにて生きるに非ず」
D「なんだい、それは」
B「なんでもない。ちょっと頭に浮かんだだけさ」
作者注 実際にはこんな反省会は行われませんでした。まったくの架空の議論です。特にAさんのような人はいなかったことは、強調しておきます。でも、お酒を飲みながらでも反省会をやってみたかったな~。
2014年05月22日
高橋長老の御教書 新編42
ありがたいお話であるから正座して読むよ~に
新編42 おみやげ(2)
練習が終わり、ホールの後片づけも一段落したので、持ってきた箱を取り出す。箱の中には50個ほどのやや小ぶりな球形のチョコレートが入っている。これを談笑している会員に差し出した。
「おひとつどうぞ」
「えっ、おいしそう!ありがとうございま~す」
「どこかへいらっしたんですか」
「ドイツに」
「いいなあ~。もうひとつ貰っていいですか」とイケメンの男の子。
「ちょっと待って。みんなに分けて余ったらあげるよ」
数からいえば余りそうだが、初めから2つずつにするとちょっと危ない。
他のグループにも差し出す。
「おひとつどうぞ」
「お土産ですか。どこへお出でになったんですか」
「ドイツのミュンヘンへ」
「前にも行ってましたね。今回は何を聞いたんですか」
「プッチーニのラ・ボエームを」
「どうでした。良かったですか」
「まあね。でも、ラ・ボエームは地味なオペラだからね…」と言葉を濁す。途中で眠くなったとはちょっと言いにくい。
「もうひとつ貰っていいですか」と可愛いお嬢さんたち。
「う~ん。まあいいか。どうぞ」
「やったあ~」
先ほどは男だったが、可愛いお嬢さんには弱いのだ。また別のグループに持っていく。
「おひとつどうぞ」
「あっ、ありがとう。どこのお土産ですか」
「ミュンヘンの」
「私も行ってみたいわ。何時行ったんですか」
「連休の間に。だからバーベキューには参加できなかったんだ」
「長老はもう何度もドイツに行ってますね」
「うん、この時期になると娘が「行こうよ」って誘ってくれるんだ」
「いい娘さんじゃないですか」
「うん。持つべきはいい娘さ」
「もうひとつ貰っていいですか」とベテランの女性たち。
「う…うん。どうぞ」
とても断れない。断ると後が怖い。
「おひとつどうぞ」とまた別のグループへ。
「おっ、すまんな。またドイツかい」
「まあね」
「うまいな。もうひとつ貰うよ」
「えっ、あっ!」もう止める暇もない。
「あっ、あたし、まだ貰ってない」
「無くならないうちに貰って」
「もうひとついいかしら」
こうなったら、もう断れない。
「まだ、残ってますね」とイケメン男子。
「あたしも、もうひとつ貰っていいかしら」とベテラン女子。
「あたし、3つめだけどいいかしら」と可愛いお嬢さん。
好きなだけ持ってけ!
ふと見ると、奇跡的にひとつだけチョコが残っている。大急ぎで口の中に放り込んだ。
新編42 おみやげ(2)
練習が終わり、ホールの後片づけも一段落したので、持ってきた箱を取り出す。箱の中には50個ほどのやや小ぶりな球形のチョコレートが入っている。これを談笑している会員に差し出した。
「おひとつどうぞ」
「えっ、おいしそう!ありがとうございま~す」
「どこかへいらっしたんですか」
「ドイツに」
「いいなあ~。もうひとつ貰っていいですか」とイケメンの男の子。
「ちょっと待って。みんなに分けて余ったらあげるよ」
数からいえば余りそうだが、初めから2つずつにするとちょっと危ない。
他のグループにも差し出す。
「おひとつどうぞ」
「お土産ですか。どこへお出でになったんですか」
「ドイツのミュンヘンへ」
「前にも行ってましたね。今回は何を聞いたんですか」
「プッチーニのラ・ボエームを」
「どうでした。良かったですか」
「まあね。でも、ラ・ボエームは地味なオペラだからね…」と言葉を濁す。途中で眠くなったとはちょっと言いにくい。
「もうひとつ貰っていいですか」と可愛いお嬢さんたち。
「う~ん。まあいいか。どうぞ」
「やったあ~」
先ほどは男だったが、可愛いお嬢さんには弱いのだ。また別のグループに持っていく。
「おひとつどうぞ」
「あっ、ありがとう。どこのお土産ですか」
「ミュンヘンの」
「私も行ってみたいわ。何時行ったんですか」
「連休の間に。だからバーベキューには参加できなかったんだ」
「長老はもう何度もドイツに行ってますね」
「うん、この時期になると娘が「行こうよ」って誘ってくれるんだ」
「いい娘さんじゃないですか」
「うん。持つべきはいい娘さ」
「もうひとつ貰っていいですか」とベテランの女性たち。
「う…うん。どうぞ」
とても断れない。断ると後が怖い。
「おひとつどうぞ」とまた別のグループへ。
「おっ、すまんな。またドイツかい」
「まあね」
「うまいな。もうひとつ貰うよ」
「えっ、あっ!」もう止める暇もない。
「あっ、あたし、まだ貰ってない」
「無くならないうちに貰って」
「もうひとついいかしら」
こうなったら、もう断れない。
「まだ、残ってますね」とイケメン男子。
「あたしも、もうひとつ貰っていいかしら」とベテラン女子。
「あたし、3つめだけどいいかしら」と可愛いお嬢さん。
好きなだけ持ってけ!
ふと見ると、奇跡的にひとつだけチョコが残っている。大急ぎで口の中に放り込んだ。
2014年03月24日
高橋長老の御教書 新編41
ありがたいお話であるから正座して読むよ~に
新編41 イイネ!だけでも
新編となった御教書も、今回で41編目である。しかし、これまで会員から反響らしきものは何も帰ってこない。初めのころ、「読んだ感想を書いてほしい」と要望したのだが、まったく無視されたままで、最近は無視される屈辱に耐えかねて、要望することを止めてしまった。
反響はないとはいっても、御教書をアップした時にカウンターの数字が上がる。これにより「少しは読まれている可能性は有るかな」とわずかに心が慰められている。
まあ、いいのだ。御教書は他人から喝采を得んがために書いているのではない。止むに止まれぬ心のほとばしりを水茎*に乗せているだけなのだ。心にもないお世辞を聞いたり、自尊心が潰れるような罵詈雑言を投げつけられるよりはましである。
石川啄木を見よ、中原中也を見よ。彼らの文学は、彼らが生きている時にはほとんど無視されていたではないか。「ルバイヤート*」が晴れて日の目を見るまでに、何百年かかったか。私も、虚しい思いのまま、星を数えて生きて行くのだ。
と、そんな時、何人かの会員が私に言った。
「草マンのI崎さん、長老のファンなんですって」
「えっ、僕のどこがいいのだろう。顔かな」
「違うの。御教書のファンなんだって」
「そうなの、顔やスタイルじゃなくてちょっと残念だけど…嬉しいね」
「どの人なのって訊かれたから、教えてあげたわ」とAさん。
「年も訊かれたから、教えたわ。悪かったかしら」とBさん。
「いや、ちゃんと教えてくれてよかった。長老と呼ばれる理由が年齢しかないからね。それで納得してくれたかい」
「ちょっと納得しなかったみたいだったけど」
「まあ、長老にしては貫禄がないからな~」
「でも、御教書は楽しみにしているんだって」
「愛好会の会員からもそう言って欲しいよ。みんなは、何にも言ってくれないんだもん」
「私たちは、それが当たり前だと思っていたんだけど…」
当たり前じゃない!こんなありがたいお話が、他にあるはずがないではないか。
愛好会の会員から何の反響もなかった背景が、おぼろげながら分かってきた。御教書は会員にとって空気のような存在なのに違いない。
会員諸氏よ、今こそ目覚めよ。他の団体の人は、御教書のありがたさを分かっているのだ。内容の素晴らしさに感動しているのだ。その証拠に、ファンという人がいるではないか。愛好会の会員は、表面切って御教書のファンだと言ってくれなくてもいい。好きだと言ってくれなくてもいい。(もちろんファンだと言ってくれれば一番だ)
しかし、この御教書を読んだら、すぐにコメントボタンを押し、長老をほめそやす言葉を書いてもらいたい。書くのが面倒なら、イイネ!だけでも我慢しよう。私のファンが他団体の人だけ、なんていうのは悲しすぎる。
(注1)水茎 毛筆文字の事。キーボードをたたくこととはかなり差があるが、私としては、毛筆で書く気分でいるのでご寛恕願いたい。
(注2)「ルバイヤート」 著者オマル・ハイヤームは、セルジェクトルコの皇帝マリク・シャー(1072~1092在位)に仕えた大学者。彼が作った四行詩は、無信仰の傾向があったので公にはされず、彼の友人の間でひそかに写し回される存在だった。欧米に紹介されたのは19世紀中ごろ。
新編41 イイネ!だけでも
新編となった御教書も、今回で41編目である。しかし、これまで会員から反響らしきものは何も帰ってこない。初めのころ、「読んだ感想を書いてほしい」と要望したのだが、まったく無視されたままで、最近は無視される屈辱に耐えかねて、要望することを止めてしまった。
反響はないとはいっても、御教書をアップした時にカウンターの数字が上がる。これにより「少しは読まれている可能性は有るかな」とわずかに心が慰められている。
まあ、いいのだ。御教書は他人から喝采を得んがために書いているのではない。止むに止まれぬ心のほとばしりを水茎*に乗せているだけなのだ。心にもないお世辞を聞いたり、自尊心が潰れるような罵詈雑言を投げつけられるよりはましである。
石川啄木を見よ、中原中也を見よ。彼らの文学は、彼らが生きている時にはほとんど無視されていたではないか。「ルバイヤート*」が晴れて日の目を見るまでに、何百年かかったか。私も、虚しい思いのまま、星を数えて生きて行くのだ。
と、そんな時、何人かの会員が私に言った。
「草マンのI崎さん、長老のファンなんですって」
「えっ、僕のどこがいいのだろう。顔かな」
「違うの。御教書のファンなんだって」
「そうなの、顔やスタイルじゃなくてちょっと残念だけど…嬉しいね」
「どの人なのって訊かれたから、教えてあげたわ」とAさん。
「年も訊かれたから、教えたわ。悪かったかしら」とBさん。
「いや、ちゃんと教えてくれてよかった。長老と呼ばれる理由が年齢しかないからね。それで納得してくれたかい」
「ちょっと納得しなかったみたいだったけど」
「まあ、長老にしては貫禄がないからな~」
「でも、御教書は楽しみにしているんだって」
「愛好会の会員からもそう言って欲しいよ。みんなは、何にも言ってくれないんだもん」
「私たちは、それが当たり前だと思っていたんだけど…」
当たり前じゃない!こんなありがたいお話が、他にあるはずがないではないか。
愛好会の会員から何の反響もなかった背景が、おぼろげながら分かってきた。御教書は会員にとって空気のような存在なのに違いない。
会員諸氏よ、今こそ目覚めよ。他の団体の人は、御教書のありがたさを分かっているのだ。内容の素晴らしさに感動しているのだ。その証拠に、ファンという人がいるではないか。愛好会の会員は、表面切って御教書のファンだと言ってくれなくてもいい。好きだと言ってくれなくてもいい。(もちろんファンだと言ってくれれば一番だ)
しかし、この御教書を読んだら、すぐにコメントボタンを押し、長老をほめそやす言葉を書いてもらいたい。書くのが面倒なら、イイネ!だけでも我慢しよう。私のファンが他団体の人だけ、なんていうのは悲しすぎる。
(注1)水茎 毛筆文字の事。キーボードをたたくこととはかなり差があるが、私としては、毛筆で書く気分でいるのでご寛恕願いたい。
(注2)「ルバイヤート」 著者オマル・ハイヤームは、セルジェクトルコの皇帝マリク・シャー(1072~1092在位)に仕えた大学者。彼が作った四行詩は、無信仰の傾向があったので公にはされず、彼の友人の間でひそかに写し回される存在だった。欧米に紹介されたのは19世紀中ごろ。
2014年03月21日
高橋長老の御教書 新編40
ありがたいお話であるから正座して読むよ~に
新編40 マンドリンフェスティバルin富士
「ロゼホールでのマンフェス、楽しかったですね」
「ロゼホールでのマンフェスは、これで3回目だけど、今回が一番お客さんが多かった感じがする。」
「お客さんが多いと、演奏する側も張り切りますね」
「富士マンドリンの人達が力を入れてくれたおかげだね。感謝、感謝」
「私は、受付をやったんですが、リハーサルや位置決め、舞台作りといった運営もスムースで、舞台裏のご苦労がわかる気がします」
「でもね、表面的にスムースに行っているように見えても、現場ではいろいろ思いがけないことが起きるんだ。今回は、合同リハーサルの準備をしていた時に「椅子が足りない」と会場係が大慌てだった」
「リハーサルがちょっと遅れたのは、そのせいだったんですね」
「実行委員は大変だよ。私も前回実行委員をしたから分かるんだ」
「フェスティバルでは、いろんな団体の演奏が聴けるのがいいですね」
「そう、各団体の特色がでて参考になるね。こうした交流ができるのもフェスティバルのいい所さ」
「こちらの出番があるので、全部は聞けませんでしたが、全体としてレベルが上がっているような感じでした」
「やはり、他団体の演奏が刺激になるんじゃないかな。でも、そうするとみんな同じような傾向の曲作りになってしまう。もう少し特色が出てもいいよね」
「その点では島田の演奏はユニークですね。聞いていて楽しいですよ」
「今回島田マンドリンは、愛好会の直後の演奏だったんで、僕は聞き逃してしまった。残念だったな~」
「合同ステージは90人の大合奏で、さすがに迫力がありました」
「合同は4回練習があったけど、昔馴染みの人と会うのは懐かしかった。20年ぶりに顔を見た人もいたよ。お互い老けたねって笑ったね。」
「でも、若い学生さんもたくさん参加して、世代間の交流にもなるんじゃないですか」
「残念ながら、若い人は私みたいなオジさんには近寄って来ないんだ。もっとも、私が無愛想すぎるからかもしれないけど」
「それでも、長老が演奏しているのを見れば、若い人にも人生の参考になると思いますよ。自分も長老の歳まで楽器が楽しめるんだなって」
「そう言ってくれると、私も励みになるね。時々、仲間外れにされるんじゃないかと不安になるんだ」
「最後の復興支援ソング「花は咲く」は、気持ち良かったですね」
「合唱団が男女に分かれて歌うのは目から鱗だった。この曲が男女の相聞歌だとは気が付かなかったな」
「客席からも歌声が上がっていましたね。演奏者と観客が一体になった感じがしました」
「私もギターを弾きながら歌ったよ。愛好会の定演の時には歌う余裕がなかったけど、今回は楽しく弾くことができた」
「フェスティバルはやる意味があるのかって議論がありましたが、こうした交流の機会は貴重ですね。これからも続けてほしいです」
「今回、私は事情があって打上げには参加できなかったけど、みんな積極的に参加して、交流を深めてほしいね」
漢字の読み方
相聞歌 そうもんか
新編40 マンドリンフェスティバルin富士
「ロゼホールでのマンフェス、楽しかったですね」
「ロゼホールでのマンフェスは、これで3回目だけど、今回が一番お客さんが多かった感じがする。」
「お客さんが多いと、演奏する側も張り切りますね」
「富士マンドリンの人達が力を入れてくれたおかげだね。感謝、感謝」
「私は、受付をやったんですが、リハーサルや位置決め、舞台作りといった運営もスムースで、舞台裏のご苦労がわかる気がします」
「でもね、表面的にスムースに行っているように見えても、現場ではいろいろ思いがけないことが起きるんだ。今回は、合同リハーサルの準備をしていた時に「椅子が足りない」と会場係が大慌てだった」
「リハーサルがちょっと遅れたのは、そのせいだったんですね」
「実行委員は大変だよ。私も前回実行委員をしたから分かるんだ」
「フェスティバルでは、いろんな団体の演奏が聴けるのがいいですね」
「そう、各団体の特色がでて参考になるね。こうした交流ができるのもフェスティバルのいい所さ」
「こちらの出番があるので、全部は聞けませんでしたが、全体としてレベルが上がっているような感じでした」
「やはり、他団体の演奏が刺激になるんじゃないかな。でも、そうするとみんな同じような傾向の曲作りになってしまう。もう少し特色が出てもいいよね」
「その点では島田の演奏はユニークですね。聞いていて楽しいですよ」
「今回島田マンドリンは、愛好会の直後の演奏だったんで、僕は聞き逃してしまった。残念だったな~」
「合同ステージは90人の大合奏で、さすがに迫力がありました」
「合同は4回練習があったけど、昔馴染みの人と会うのは懐かしかった。20年ぶりに顔を見た人もいたよ。お互い老けたねって笑ったね。」
「でも、若い学生さんもたくさん参加して、世代間の交流にもなるんじゃないですか」
「残念ながら、若い人は私みたいなオジさんには近寄って来ないんだ。もっとも、私が無愛想すぎるからかもしれないけど」
「それでも、長老が演奏しているのを見れば、若い人にも人生の参考になると思いますよ。自分も長老の歳まで楽器が楽しめるんだなって」
「そう言ってくれると、私も励みになるね。時々、仲間外れにされるんじゃないかと不安になるんだ」
「最後の復興支援ソング「花は咲く」は、気持ち良かったですね」
「合唱団が男女に分かれて歌うのは目から鱗だった。この曲が男女の相聞歌だとは気が付かなかったな」
「客席からも歌声が上がっていましたね。演奏者と観客が一体になった感じがしました」
「私もギターを弾きながら歌ったよ。愛好会の定演の時には歌う余裕がなかったけど、今回は楽しく弾くことができた」
「フェスティバルはやる意味があるのかって議論がありましたが、こうした交流の機会は貴重ですね。これからも続けてほしいです」
「今回、私は事情があって打上げには参加できなかったけど、みんな積極的に参加して、交流を深めてほしいね」
漢字の読み方
相聞歌 そうもんか
2014年02月26日
高橋長老の御教書 新編39
ありがたいお話であるから正座して読むよ~に
新編39 感動する心
特別養護老人ホーム「柏尾の里」へ訪問演奏に行ったのは、2月の下旬である。演奏が終わって帰宅すると、妻はテレビでソチオリンピックの実況を見ていた。
「いやあ、感動したな~。お年寄りが我々の演奏を聞いて、涙を流していたよ。音楽の力がこんなに大きいとは…。演奏していた僕らも感動してしまった」
「あら、そんなに素晴らしい演奏だったの?」
「いや、演奏自体はちょっとミスもあって完璧な演奏とはいえなかったけど」
「そう、いつもの演奏だったんだ。でも、お年寄り相手なら、ごまかせるわね」
「何を言うんだ。多少のミスはあっても、我々の熱い思いが相手に伝わって、それが感動を生むんだ」
「ふ~ん、どんな曲を演奏したの?」
「お年寄りでも知っていそうな曲さ。北国の春とか、朧月夜とか。特にみかんの花咲く丘を聞いて『昔を思い出して…』と涙ぐむおばあさんがいたな~」
「そう、よかったわね」と、再びテレビ画面に帰って行く。
妻は、音楽に感動する心がわからないのか。音楽に涙するお年寄りの心に寄り添えないのか。私だって、妻が感動する心を持っていることは知っている。私が妻の感動する場面を見たのは、以前テレビで宝石の値段を紹介していた時だった。
「あのダイヤの首飾り、2億円なんだって!」
高額の物にしか感動を覚えないとは、女心はどういうものなのか。しかも、テレビの中でも、「え~」「すごい」などと感嘆の声が上がっていた。こんな俗物的な感動が世の中にまかり通っているとは、誠に情けない。もっと純粋に、清らかな星の光だとか、情緒あふれる音楽といった物に感動を覚えられないものなのだろうか。
それに、今回の訪問演奏は、ささやかではあるが社会に貢献する活動である。妻にはそこへの理解もないようだ。以前から、妻は、私が単に好きなことをやっているとしか見ていない。確かにギターは私の趣味である。練習だ、合宿だ、定演だ、と家のことをないがしろにして好きなことをやっているように見える。しかし、そのような活動の中でも、常に社会に貢献できることはないかと、考えているのだ。同じ志の人達と力を合わせて、できることはないかと心を砕いているのだ。
今度の演奏にしたって、段取りをしてくれた人、会場の準備をしてくれた人、お年寄りの世話をした人などたくさんの人達の心が支えている。我々だって、午前中に集まってそれなりの練習をしてきた。大勢の人達の善意が集まった演奏なのだ。
暖かい部屋の中で煎餅をかじりながら、テレビを見ているだけで社会貢献ができるわけがない。少しは私を見習ったらどうだ。私は憤然として妻に語りかけた。
「真央ちゃんのメダルは無理みたいだね」
「やっぱり、緊張したのかしら。フリーで頑張ってほしいわね」
会員諸氏もご存じのとおり、真央ちゃんはこの夜、会心の演技をして大きな感動を我々に与えてくれた。妻もこの時は、純粋な心で感動したようだ。
新編39 感動する心
特別養護老人ホーム「柏尾の里」へ訪問演奏に行ったのは、2月の下旬である。演奏が終わって帰宅すると、妻はテレビでソチオリンピックの実況を見ていた。
「いやあ、感動したな~。お年寄りが我々の演奏を聞いて、涙を流していたよ。音楽の力がこんなに大きいとは…。演奏していた僕らも感動してしまった」
「あら、そんなに素晴らしい演奏だったの?」
「いや、演奏自体はちょっとミスもあって完璧な演奏とはいえなかったけど」
「そう、いつもの演奏だったんだ。でも、お年寄り相手なら、ごまかせるわね」
「何を言うんだ。多少のミスはあっても、我々の熱い思いが相手に伝わって、それが感動を生むんだ」
「ふ~ん、どんな曲を演奏したの?」
「お年寄りでも知っていそうな曲さ。北国の春とか、朧月夜とか。特にみかんの花咲く丘を聞いて『昔を思い出して…』と涙ぐむおばあさんがいたな~」
「そう、よかったわね」と、再びテレビ画面に帰って行く。
妻は、音楽に感動する心がわからないのか。音楽に涙するお年寄りの心に寄り添えないのか。私だって、妻が感動する心を持っていることは知っている。私が妻の感動する場面を見たのは、以前テレビで宝石の値段を紹介していた時だった。
「あのダイヤの首飾り、2億円なんだって!」
高額の物にしか感動を覚えないとは、女心はどういうものなのか。しかも、テレビの中でも、「え~」「すごい」などと感嘆の声が上がっていた。こんな俗物的な感動が世の中にまかり通っているとは、誠に情けない。もっと純粋に、清らかな星の光だとか、情緒あふれる音楽といった物に感動を覚えられないものなのだろうか。
それに、今回の訪問演奏は、ささやかではあるが社会に貢献する活動である。妻にはそこへの理解もないようだ。以前から、妻は、私が単に好きなことをやっているとしか見ていない。確かにギターは私の趣味である。練習だ、合宿だ、定演だ、と家のことをないがしろにして好きなことをやっているように見える。しかし、そのような活動の中でも、常に社会に貢献できることはないかと、考えているのだ。同じ志の人達と力を合わせて、できることはないかと心を砕いているのだ。
今度の演奏にしたって、段取りをしてくれた人、会場の準備をしてくれた人、お年寄りの世話をした人などたくさんの人達の心が支えている。我々だって、午前中に集まってそれなりの練習をしてきた。大勢の人達の善意が集まった演奏なのだ。
暖かい部屋の中で煎餅をかじりながら、テレビを見ているだけで社会貢献ができるわけがない。少しは私を見習ったらどうだ。私は憤然として妻に語りかけた。
「真央ちゃんのメダルは無理みたいだね」
「やっぱり、緊張したのかしら。フリーで頑張ってほしいわね」
会員諸氏もご存じのとおり、真央ちゃんはこの夜、会心の演技をして大きな感動を我々に与えてくれた。妻もこの時は、純粋な心で感動したようだ。
2014年01月28日
高橋長老の御教書 新編38
ありがたいお話であるから正座して読むよ~に
新編38 祝辞
兄さん、のりちゃん、ご結婚おめでとうございます。お二人が結婚したという話を聞いた時、「遠くて近きは男女の仲」かと、驚きを禁じ得ませんでした。お二人が密かに愛を育んでいたなんてことを、鈍感な私が気づくはずもなく、まさに不意打ちを食らった気がしたものです。これまで、兄さんの事で「なんだい、女一人も口説けないで…、ふがいないやつだ」と悪口をほざいていたことを深くお詫びいたします。私の見る目がありませんでした、お許しください。
こうした現実を見ると、「男はやるべき時にはやるもんだな」と感心いたします。最近女性にアタックすることを面倒がる、あるいは怖じ気づく男子が多いと言われています。草食系男子とも言われています。これは急速に進む日本の少子化とも結びつき、大きな社会問題と考えられます。わが愛好会の中にも、そのような傾向が無きにしもあらずです。人口減少は、私も含め、愛好会にも増えつつある年金生活者にとって、ゆゆしき問題です。こうした現状を、身を以て打破した兄さんの業績は、まことに評価するに値します。わが愛好会に、新しいカップルが次々に現れるきっかけとなる、と期待したいと思います。難を言えば、愛好会に男子が、特に適齢期の男子が少ないことです。最近愛好会の女子化が進み、女子と男子の比率は4対1になっています。これも男子の草食化の一つの表れなのでしょうか。
お二人の結婚で、愛好会の会員同士のカップルは、30年ぶり5組目となりました。これまでの4組、佐野さんご夫妻、田村さんご夫妻、市川さんご夫妻、中野さんご夫妻はいずれも仲睦まじく、円満な家庭を保っていらっしゃいます。やはり、気心の知れたマンドリン好きのカップルは、相性がいいのです。
愛好会の練習に行く時も、「お父さんは、いつも自分の好きなことばかりやってる」などと嫌味を言われることはないでしょうし、お互いの共通の友人が多いことも有利です。家で練習をしても「大きな音を出すと近所迷惑になるでしょ」と叱られることもないでしょう。相手を選ぶなら愛好会の中で選ぶのが一番です。他の会員の中でちらほらご不和の方がいることを思えば、まさに理想的な組み合わせかと思います。
昔から、夫婦仲がいいことを「琴瑟相和す」といいます。小型の琴と大型の琴がよく調和している様子を夫婦仲に例えた言葉ですが、くしくもお二人はマンドリンとチェロの奏者ということで、これまでの4組同様「琴瑟相和す」を地で行くことと思います。
ところで、私の先輩で「人間、子供を育てていっちょ前」とおっしゃった方がいました。今考えると、子供を育てたあの慌ただしい日々、子供に振り回され自分の時間が持てなかった忍耐の日々、そうした子供が中心だった日々が懐かしく思えるのです。当時の苦しくも充実していた日々を振り返る時、ニール・ダイヤモンド歌(スィートキャロライン)の一節が脳裏によみがえります。
Good time never seem so good
(幸せな時って、その時はそんなに幸せには感じないものなのさ)
私の実感からしても、子供を育てる幸福感は、人生最大の幸せ、何物にも替えがたい幸せです。お二人が健康に恵まれ楽しい家庭を築かれることを、また時至りて、可愛いお子様に恵まれ、充実した人生を送られることをお祈りしたいと思います。これからもお幸せにね。
漢字の読み方
育む はぐくむ
琴瑟 きんしつ
新編38 祝辞
兄さん、のりちゃん、ご結婚おめでとうございます。お二人が結婚したという話を聞いた時、「遠くて近きは男女の仲」かと、驚きを禁じ得ませんでした。お二人が密かに愛を育んでいたなんてことを、鈍感な私が気づくはずもなく、まさに不意打ちを食らった気がしたものです。これまで、兄さんの事で「なんだい、女一人も口説けないで…、ふがいないやつだ」と悪口をほざいていたことを深くお詫びいたします。私の見る目がありませんでした、お許しください。
こうした現実を見ると、「男はやるべき時にはやるもんだな」と感心いたします。最近女性にアタックすることを面倒がる、あるいは怖じ気づく男子が多いと言われています。草食系男子とも言われています。これは急速に進む日本の少子化とも結びつき、大きな社会問題と考えられます。わが愛好会の中にも、そのような傾向が無きにしもあらずです。人口減少は、私も含め、愛好会にも増えつつある年金生活者にとって、ゆゆしき問題です。こうした現状を、身を以て打破した兄さんの業績は、まことに評価するに値します。わが愛好会に、新しいカップルが次々に現れるきっかけとなる、と期待したいと思います。難を言えば、愛好会に男子が、特に適齢期の男子が少ないことです。最近愛好会の女子化が進み、女子と男子の比率は4対1になっています。これも男子の草食化の一つの表れなのでしょうか。
お二人の結婚で、愛好会の会員同士のカップルは、30年ぶり5組目となりました。これまでの4組、佐野さんご夫妻、田村さんご夫妻、市川さんご夫妻、中野さんご夫妻はいずれも仲睦まじく、円満な家庭を保っていらっしゃいます。やはり、気心の知れたマンドリン好きのカップルは、相性がいいのです。
愛好会の練習に行く時も、「お父さんは、いつも自分の好きなことばかりやってる」などと嫌味を言われることはないでしょうし、お互いの共通の友人が多いことも有利です。家で練習をしても「大きな音を出すと近所迷惑になるでしょ」と叱られることもないでしょう。相手を選ぶなら愛好会の中で選ぶのが一番です。他の会員の中でちらほらご不和の方がいることを思えば、まさに理想的な組み合わせかと思います。
昔から、夫婦仲がいいことを「琴瑟相和す」といいます。小型の琴と大型の琴がよく調和している様子を夫婦仲に例えた言葉ですが、くしくもお二人はマンドリンとチェロの奏者ということで、これまでの4組同様「琴瑟相和す」を地で行くことと思います。
ところで、私の先輩で「人間、子供を育てていっちょ前」とおっしゃった方がいました。今考えると、子供を育てたあの慌ただしい日々、子供に振り回され自分の時間が持てなかった忍耐の日々、そうした子供が中心だった日々が懐かしく思えるのです。当時の苦しくも充実していた日々を振り返る時、ニール・ダイヤモンド歌(スィートキャロライン)の一節が脳裏によみがえります。
Good time never seem so good
(幸せな時って、その時はそんなに幸せには感じないものなのさ)
私の実感からしても、子供を育てる幸福感は、人生最大の幸せ、何物にも替えがたい幸せです。お二人が健康に恵まれ楽しい家庭を築かれることを、また時至りて、可愛いお子様に恵まれ、充実した人生を送られることをお祈りしたいと思います。これからもお幸せにね。
漢字の読み方
育む はぐくむ
琴瑟 きんしつ
2014年01月22日
高橋長老の御教書 新編37
ありがたいお話であるから正座して読むよ~に
新編37 細川ガラシャ
「フェスティバルでやる『細川ガラシャ』は楽しい曲ですね」
「そう、特にギターが琴の音色を表現する部分は、楽しいね」
「鈴木静一の曲はいい曲がありますね」
「僕が学生の時には、『黎明序曲』とか『山の印象』なんか、ずいぶん演奏されていたけど、その後聞かなくなっていた。最近、また取り上げられるようになって、嬉しいよ」
「なかでも『細川ガラシャ』は、人気が高いです」
「僕も好きなんだけど、ちょっと気になるところがある」
「えっ、何ですか」
「細川ガラシャって名前さ。当時、彼女はそんな呼び方はされなかった」
「そうなんですか」
「彼女の本名は、明智玉なんだ。ガラシャという洗礼名をもらっても、明智ガラシャと名乗ったはずだ」
「でも、彼女は細川忠興と結婚していますよ」
「日本は、歴史上ずっと夫婦別姓だったんだよ。北条政子は源頼朝と結婚しても北条政子のまま、日野富子は足利義政と結婚しても日野富子、江姫は徳川秀忠と結婚しても浅井江だった。西欧風に夫婦同姓となったのは、明治維新後のことさ。細川ガラシャという名も、明治になってからカトリックの人達が言い始めて一般化したんだ」
「そういえば、中国や韓国は夫婦別姓ですね。東洋では夫婦別姓が主流なんですか」
「僕は学者じゃないから正確なことは言えないけど、本来夫婦別姓という民族の方が多数派だったんじゃないかな。文化人類学の先生に訊いてみたいね」
「そういえば、フランス王妃の中に『カトリーヌ ド メディシス』とか『アンヌ ドートリッシュ』とかいますね。あれはメディチ家のカトリーヌとか、オーストリアの、つまりハプスブルク家のアンヌという意味でしょう。あの時代は、フランスも夫婦別姓だったんですかね」
「細川ガラシャからとんだところに来てしまったね」
「今、日本で夫婦別姓を認めてという声が高まっていますが、長老はどう考えているんですか」
「僕は、夫婦別姓でもかまわないと思う。それで家族の紐帯が失われるとは思えない。要は、夫婦の信頼関係がどれだけ強いかってことだと思うよ。夫婦同姓であっても、これだけ離婚が多いんだから、家族の紐帯と夫婦同姓とは関係ないじゃないかな」
「それじゃ、細川ガラシャは明智ガラシャと改めるべきですか」
「別にそれほどこだわることはないさ。もう歴史上の人物だし、一般的に細川ガラシャで知られているんだから、いまさら明智ガラシャにしろなんて言っても混乱するだけだよ」
「本人の希望はどうなんですかねえ」
「う~ん。夫婦の間の事は他人には知りようがない。本能寺の変以後、お玉は忠興からずいぶん冷たい仕打ちを受けて、夫婦関係が冷え込んだように見えるけど、子供も産んでいるしね。彼女の気持ちはどうだったんだろう。我々が細川ガラシャと呼んでも、それが不快なのかどうか。キリスト教に入信して、もうそんな浮世の些事は超越していたかもしれないね」
新編37 細川ガラシャ
「フェスティバルでやる『細川ガラシャ』は楽しい曲ですね」
「そう、特にギターが琴の音色を表現する部分は、楽しいね」
「鈴木静一の曲はいい曲がありますね」
「僕が学生の時には、『黎明序曲』とか『山の印象』なんか、ずいぶん演奏されていたけど、その後聞かなくなっていた。最近、また取り上げられるようになって、嬉しいよ」
「なかでも『細川ガラシャ』は、人気が高いです」
「僕も好きなんだけど、ちょっと気になるところがある」
「えっ、何ですか」
「細川ガラシャって名前さ。当時、彼女はそんな呼び方はされなかった」
「そうなんですか」
「彼女の本名は、明智玉なんだ。ガラシャという洗礼名をもらっても、明智ガラシャと名乗ったはずだ」
「でも、彼女は細川忠興と結婚していますよ」
「日本は、歴史上ずっと夫婦別姓だったんだよ。北条政子は源頼朝と結婚しても北条政子のまま、日野富子は足利義政と結婚しても日野富子、江姫は徳川秀忠と結婚しても浅井江だった。西欧風に夫婦同姓となったのは、明治維新後のことさ。細川ガラシャという名も、明治になってからカトリックの人達が言い始めて一般化したんだ」
「そういえば、中国や韓国は夫婦別姓ですね。東洋では夫婦別姓が主流なんですか」
「僕は学者じゃないから正確なことは言えないけど、本来夫婦別姓という民族の方が多数派だったんじゃないかな。文化人類学の先生に訊いてみたいね」
「そういえば、フランス王妃の中に『カトリーヌ ド メディシス』とか『アンヌ ドートリッシュ』とかいますね。あれはメディチ家のカトリーヌとか、オーストリアの、つまりハプスブルク家のアンヌという意味でしょう。あの時代は、フランスも夫婦別姓だったんですかね」
「細川ガラシャからとんだところに来てしまったね」
「今、日本で夫婦別姓を認めてという声が高まっていますが、長老はどう考えているんですか」
「僕は、夫婦別姓でもかまわないと思う。それで家族の紐帯が失われるとは思えない。要は、夫婦の信頼関係がどれだけ強いかってことだと思うよ。夫婦同姓であっても、これだけ離婚が多いんだから、家族の紐帯と夫婦同姓とは関係ないじゃないかな」
「それじゃ、細川ガラシャは明智ガラシャと改めるべきですか」
「別にそれほどこだわることはないさ。もう歴史上の人物だし、一般的に細川ガラシャで知られているんだから、いまさら明智ガラシャにしろなんて言っても混乱するだけだよ」
「本人の希望はどうなんですかねえ」
「う~ん。夫婦の間の事は他人には知りようがない。本能寺の変以後、お玉は忠興からずいぶん冷たい仕打ちを受けて、夫婦関係が冷え込んだように見えるけど、子供も産んでいるしね。彼女の気持ちはどうだったんだろう。我々が細川ガラシャと呼んでも、それが不快なのかどうか。キリスト教に入信して、もうそんな浮世の些事は超越していたかもしれないね」
2013年12月31日
高橋長老の御教書 新編36
ありがたいお話であるから正座して読むよ~に
新編36 2013年愛好会10大ニュース
ふりかえれば、今年も愛好会にいろいろなニュースが。そこで、年末ということで今年の「愛好会10大ニュース」を選んでみた。とはいえ、事の軽重は人によりけり、あくまで私から見ての10大ニュースということでご理解いただきたい。
第1位 第39回定演(9月28日)
なんといっても、半年以上の活動の主目的だから、定演をあげざるを得ない。正直、定演が終わるとホッとする。立ち見になるほどお客さんがたくさん来てくれて、何か幸福感をもらったことも思い出である。
第2位 合奏コンクール銀賞(7月27日)
合奏コンクールへの参加に消極的だった私にとっても、銀賞は悔しかった。将来、愛好会が金賞を取ることがあっても、おそらく私がそれに貢献できるとは思えない。満ち足りぬ思いを抱いて、老兵は消えゆくのみ。
第3位 ツクイ清水渋川訪問演奏(5月10日)
あまちゃんアンサンブルとして訪問することになった演奏会。どんな曲をやろうかと先方の希望とすり合わせ、練習もして出かけて行った。結果は施設のお年寄りに大好評。「またクリスマスの時も頼みます」と言われて大満足。楽しかった。
第4位 油山元湯館合宿(7月6日)
合宿場所が変わって、今年は油山温泉。練習場所が畳敷きなのには驚いた。練習には差しさわりはないし、夜も自由で使い勝手はよかったけれど、就寝部屋には参った。冷房が止まらず、薄い布団では寒くて耐え切れない。なんとか冷房を切ってホッとしたが、5時には朝日が燦々とは差し込んできて寝不足に。
第5位 ペリエ下川原ボランティア演奏(12月8日)
当初の計画より、クリスマス会の出席者が増えたということで、急遽第2チームが編成された。演奏の進行方法もわからず行ってみたら、演奏する場所は2チーム別で、同時進行するという。まるでアクロバットのような演奏会だった。
第6位 若葉ふれあいサロン訪問演奏(11月6日)
会員S澤さんの紹介で、あまちゃんアンサンブルが訪問した。ここは元気なお年寄りの学習活動の場とか。青春時代の歌を大きな声で歌って大満足な様子。ここでも来年の予約をいただいてしまった。
第7位 小林美香子ちゃん結婚(6月3日)
3月末の練習の後、「私嫁に行きます。相手は草マン指揮者の北川さんです」と発表されて、こちらはびっくり。当然みかちゃんは草マンに移ってしまった。おめでたいことながら、やはり残念。
第8位 つばさ静岡訪問演奏(2月17日)
愛好会全員参加で訪問演奏。入所している人やその保護者、施設の職員さんに我々の演奏を披露。司会は、会員のS藤氏の娘さんで、初めてとは思えない司会ぶりだった。聞けば学校の先生をしているとか。人前でしゃべるのは慣れているのだ。
第9位 サロンコンサート(5月26日)
あまちゃんアンサンブルも出演したが、私自身は、家庭の都合で出演できなかった。遅れて会場に着き、なんとかN田さんの「アランフェス協奏曲」を聞くことはできた。さすがだねえ。
第10位 AOI抽選(11月1日)
来年のサロンコンサートの会場を取りにAOIの抽選に臨んだ。候補になる日はいくつかあるが、すでにいろいろな行事が入って、1番いい日は5月18日(日)しかない。満を持して引いた札は2番札!! これなら、取れると思ったが、1番札を取った人が先取り! やむなく、5月10日(土)を予約したが、くやしい。
愛好会の行事・出来事は、ほかにも忘年会とかバーベQとかあるけれど、私が参加していないとか、あまりに私事に近いということで、以上の10項目とした。「これを抜かすな」というご意見があれば、ぜひご教示をお願いしたい。気分によっては、訂正するのも吝かではない。
新編36 2013年愛好会10大ニュース
ふりかえれば、今年も愛好会にいろいろなニュースが。そこで、年末ということで今年の「愛好会10大ニュース」を選んでみた。とはいえ、事の軽重は人によりけり、あくまで私から見ての10大ニュースということでご理解いただきたい。
第1位 第39回定演(9月28日)
なんといっても、半年以上の活動の主目的だから、定演をあげざるを得ない。正直、定演が終わるとホッとする。立ち見になるほどお客さんがたくさん来てくれて、何か幸福感をもらったことも思い出である。
第2位 合奏コンクール銀賞(7月27日)
合奏コンクールへの参加に消極的だった私にとっても、銀賞は悔しかった。将来、愛好会が金賞を取ることがあっても、おそらく私がそれに貢献できるとは思えない。満ち足りぬ思いを抱いて、老兵は消えゆくのみ。
第3位 ツクイ清水渋川訪問演奏(5月10日)
あまちゃんアンサンブルとして訪問することになった演奏会。どんな曲をやろうかと先方の希望とすり合わせ、練習もして出かけて行った。結果は施設のお年寄りに大好評。「またクリスマスの時も頼みます」と言われて大満足。楽しかった。
第4位 油山元湯館合宿(7月6日)
合宿場所が変わって、今年は油山温泉。練習場所が畳敷きなのには驚いた。練習には差しさわりはないし、夜も自由で使い勝手はよかったけれど、就寝部屋には参った。冷房が止まらず、薄い布団では寒くて耐え切れない。なんとか冷房を切ってホッとしたが、5時には朝日が燦々とは差し込んできて寝不足に。
第5位 ペリエ下川原ボランティア演奏(12月8日)
当初の計画より、クリスマス会の出席者が増えたということで、急遽第2チームが編成された。演奏の進行方法もわからず行ってみたら、演奏する場所は2チーム別で、同時進行するという。まるでアクロバットのような演奏会だった。
第6位 若葉ふれあいサロン訪問演奏(11月6日)
会員S澤さんの紹介で、あまちゃんアンサンブルが訪問した。ここは元気なお年寄りの学習活動の場とか。青春時代の歌を大きな声で歌って大満足な様子。ここでも来年の予約をいただいてしまった。
第7位 小林美香子ちゃん結婚(6月3日)
3月末の練習の後、「私嫁に行きます。相手は草マン指揮者の北川さんです」と発表されて、こちらはびっくり。当然みかちゃんは草マンに移ってしまった。おめでたいことながら、やはり残念。
第8位 つばさ静岡訪問演奏(2月17日)
愛好会全員参加で訪問演奏。入所している人やその保護者、施設の職員さんに我々の演奏を披露。司会は、会員のS藤氏の娘さんで、初めてとは思えない司会ぶりだった。聞けば学校の先生をしているとか。人前でしゃべるのは慣れているのだ。
第9位 サロンコンサート(5月26日)
あまちゃんアンサンブルも出演したが、私自身は、家庭の都合で出演できなかった。遅れて会場に着き、なんとかN田さんの「アランフェス協奏曲」を聞くことはできた。さすがだねえ。
第10位 AOI抽選(11月1日)
来年のサロンコンサートの会場を取りにAOIの抽選に臨んだ。候補になる日はいくつかあるが、すでにいろいろな行事が入って、1番いい日は5月18日(日)しかない。満を持して引いた札は2番札!! これなら、取れると思ったが、1番札を取った人が先取り! やむなく、5月10日(土)を予約したが、くやしい。
愛好会の行事・出来事は、ほかにも忘年会とかバーベQとかあるけれど、私が参加していないとか、あまりに私事に近いということで、以上の10項目とした。「これを抜かすな」というご意見があれば、ぜひご教示をお願いしたい。気分によっては、訂正するのも吝かではない。
2013年12月14日
高橋長老の御教書 新編35
ありがたいお話であるから正座して読むよ~に
新編35 ズンドコ節
「訪問演奏では、きよしのズンドコ節で盛り上がりましたね」
「♫ 一年前には知らなんだ 半年前も知らなんだ 若い二人がいつの間に こんなになるとは知らなんだ 」
「何ですか、それ」
「旭のズンドコ節だよ。思い出すな~ 高校生の時、よく歌った」
「そんな歌があったんですか」
「もともとは、兵隊節で「海軍小唄」というのがあったんだ。聞いたことないかな。
♫ 汽車の窓から手を握り 送ってくれた人よりも ホームの陰で泣いていた 可愛いあの娘が忘られぬ トコズンドコズンドコ って歌」
「それ、海軍小唄って言うんですか」
「まっ、陸軍の兵隊も歌っていたようだけどね。兵隊節は軍歌と違って厭戦的な臭いがあるんで、軍からは嫌われていた。でも兵隊たちはこっそり歌っていたんだ」
「今のズンドコ節とは、ずいぶん違いますね」
「平和な時代になって、恋の歌に変身さ。ドリフターズも歌っていたよ。ドリフのズンドコ節」
「ドリフターズって何ですか」
「40年前、一世を風靡したコント集団だよ。コミックバンドでもあった」
「すると、きよしのズンドコ節は、四代目ズンドコ節ということになりますね」
「そうだね、替え歌の典型だ」
「そうか、替え歌だから息が長いのか。替え歌は面白いですね。僕らも替え歌を歌いましたよ」
「君たちは、どんな替え歌を歌ったんだい」
「例えば、♫ かおるちゃん 遅くなってごめんね ハナはハナはハナは でかかった とか」
「けっこう古い歌を歌うもんだね」
「アルフィーの坂崎さんが歌っていたんで覚えたんです」
「替え歌といえば、僕は子供のころの思い出がある。NHKで「三つの歌」という人気番組があったのさ。そこで ♫ 向こう横丁のタバコ屋の 可愛い看板むすめ のメロディか出題されたんだ。出場者はその歌を思い出して歌うわけだけど、その時、回答者のおばちゃんが何のためらいもなく ♫ たんたん狸の~と歌いだしたもんだから、あわてて司会のアナウンサーが「奥様、それは替え歌でございます」とさえぎったのさ。するとそのおばちゃん、しばらく考えて今度は ♫ きんきん狐の~と歌いだしたもんだから、満場大爆笑。今思い出しても、笑いがこみあげてくる」
「その替え歌も息が長いですね。誰でも知ってますよ」
「替え歌こそ人間の本能の発露、庶民の本音なんだな」
漢字の読み方
旭 あきら(小林 旭)
厭戦 えんせん
風靡 ふうび
新編35 ズンドコ節
「訪問演奏では、きよしのズンドコ節で盛り上がりましたね」
「♫ 一年前には知らなんだ 半年前も知らなんだ 若い二人がいつの間に こんなになるとは知らなんだ 」
「何ですか、それ」
「旭のズンドコ節だよ。思い出すな~ 高校生の時、よく歌った」
「そんな歌があったんですか」
「もともとは、兵隊節で「海軍小唄」というのがあったんだ。聞いたことないかな。
♫ 汽車の窓から手を握り 送ってくれた人よりも ホームの陰で泣いていた 可愛いあの娘が忘られぬ トコズンドコズンドコ って歌」
「それ、海軍小唄って言うんですか」
「まっ、陸軍の兵隊も歌っていたようだけどね。兵隊節は軍歌と違って厭戦的な臭いがあるんで、軍からは嫌われていた。でも兵隊たちはこっそり歌っていたんだ」
「今のズンドコ節とは、ずいぶん違いますね」
「平和な時代になって、恋の歌に変身さ。ドリフターズも歌っていたよ。ドリフのズンドコ節」
「ドリフターズって何ですか」
「40年前、一世を風靡したコント集団だよ。コミックバンドでもあった」
「すると、きよしのズンドコ節は、四代目ズンドコ節ということになりますね」
「そうだね、替え歌の典型だ」
「そうか、替え歌だから息が長いのか。替え歌は面白いですね。僕らも替え歌を歌いましたよ」
「君たちは、どんな替え歌を歌ったんだい」
「例えば、♫ かおるちゃん 遅くなってごめんね ハナはハナはハナは でかかった とか」
「けっこう古い歌を歌うもんだね」
「アルフィーの坂崎さんが歌っていたんで覚えたんです」
「替え歌といえば、僕は子供のころの思い出がある。NHKで「三つの歌」という人気番組があったのさ。そこで ♫ 向こう横丁のタバコ屋の 可愛い看板むすめ のメロディか出題されたんだ。出場者はその歌を思い出して歌うわけだけど、その時、回答者のおばちゃんが何のためらいもなく ♫ たんたん狸の~と歌いだしたもんだから、あわてて司会のアナウンサーが「奥様、それは替え歌でございます」とさえぎったのさ。するとそのおばちゃん、しばらく考えて今度は ♫ きんきん狐の~と歌いだしたもんだから、満場大爆笑。今思い出しても、笑いがこみあげてくる」
「その替え歌も息が長いですね。誰でも知ってますよ」
「替え歌こそ人間の本能の発露、庶民の本音なんだな」
漢字の読み方
旭 あきら(小林 旭)
厭戦 えんせん
風靡 ふうび